名古屋の「味」
竹の子とふきの煮つけ
お吸いもの
良質な水、豊かな自然、そして温暖な気候。

醸造に最適な風土を持つ愛知県は「醸(かもし)の愛知」とも呼ばれ、その技術によって日本の食文化を支えてきました。

今回は咲耶の「名宝ひつまぶし御膳」からそんな醸造調味料を使った2品のご紹介です。

醸造文化の歴史と合わせて、ぜひご覧ください。
江戸時代後半、当時のお酒の産地といえば関西でした。
大阪から江戸へお酒を運ぶ経由地として愛知県の「知多」が運搬の役割を担っており、その時知多の人々が「お酒を運ぶだけではなく自分たちで作ろう!」と考えたのが愛知における酒造りの始まりです。

そして、この酒造りによって大量に出た酒粕を使って、みりんやお酢などの醸造業が栄え始めたと言われています。
愛知の風土柄、米や小麦、そして大豆が手に入りやすいこともあり、様々な醸造品へと発展していきました。
数少ない日本原産の野菜である、ふき。花とつぼみはフキノトウとして、茎は煮物、葉は佃煮として、平安時代から親しまれてきたと言われています。
そして現在日本で最も栽培されているのは、香り高さとみずみずしさが特徴的な愛知県生まれの「愛知早生ふき」です。
そんなふきを使用した竹の子とふきの煮つけは、噛むたびに溢れ出すやさしいだしの風味が特徴的な歴史ある郷土料理です。
一汁三菜」というように、日本における汁物料理は副食とは一線を画す存在として位置付けられてきました。
起源はなんと、奈良時代の「あつもの」という熱い汁料理まで遡ります。
その後室町時代になると「吸物」と呼ばれ、江戸時代では味付けや具材の種類も増え、季節ごとのお吸いものも考案されるようになったそうです。
咲耶のお吸いものは、鰹と昆布の一番だしに、愛知県発祥白醤油で味付けをしています。小麦由来である白醤油本来の甘みに加え、素材のもつ色や風味を引き立てつつ、まろやかで上品な味わいに仕上げました。
風土を愛し、活かし、地域と共に生きてきた先人たちの想いが今の私たちの食卓を支えています。

「名宝ひつまぶし御膳」はそんな愛知県の歴史を感じていただきながらお愉しみいただけますと幸いです。
竹の子とふきの煮付け・お吸いものが楽しめる
【名古屋】名宝ひつまぶし御膳