博多の「味」
がめ煮とあちゃら漬け
戦国時代から貿易によって栄えていた「博多」の街。

一度は戦乱によって荒廃したものの、1586年に九州を平定した豊臣秀吉は博多を”商業の町”として復興し、貿易を中心とした日本屈指の商業地へと発展させました。
そんな博多では海を渡った人々に由来する郷土料理があります。

今回は、「鶏のうまかもん御膳」から「がめ煮」と「あちゃら漬け」のご紹介です。
福岡の代表的な郷土料理です。

名前の由来は、秀吉の時代に朝鮮に出兵した兵士がどぶがめ(スッポン)を使って作った、九州の方言で「がめくりこむ(寄せ集める)」という言葉にある、など諸説あります。
現在ではスッポンではなく鶏肉を使うのが一般的で、主に正月料理や精進料理として作られることが多く、福岡で鶏肉とごぼうの消費量が多いのはこの「がめ煮」に使うためともいわれています。

家庭の味として地元に根付いている「がめ煮」は、福岡の人々にとって欠かせない一品です。
安土桃山〜江戸時代初期の南蛮貿易によって伝わったとされ、貿易地として栄えた博多だからこそ生まれた一風変わった郷土料理です。刻んだ季節の野菜に赤唐辛子を加えた酢の物で、ポルトガル語でピクルスを意味する「アチャール」を起源とする説や「あちら(外国)の食べ物」である南蛮風の漬物を表して名付けられたという説も。

家庭の味として幅広く親しまれるあちゃら漬けは、古くからお盆の時期のお供えやお盆参りの客をもてなす料理として重宝されてきました。爽やかな甘みと酸味に加えてほのかな辛味も感じられる一品です。
がめ煮もあちゃら漬けも、おもてなしとして旬の素材を味わうにはうってつけのお料理です。

貿易の町・博多から生まれた、異国情緒漂う郷土料理をぜひお楽しみください。
がめ煮とあちゃら漬けが楽しめる
【博多】鶏のうまかもん御膳